いなかを楽しむ生活2 Life Enjoying Country

都会を真似ない 夢見ない 妬まない いなかを受け入れて 楽しむ生活の記録です

二羽の雀の話 A story of two sparrows

 

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5月18日(月)のことです。

雀がチュンチュン喧しく鳴いている方向を見ると

一羽の子雀が親鳥と必死の会話をしている

 

どうも巣から落とされたようです

そんな状況が鳴き声から読み取れました。

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捕まえようと近づくと子雀はぴょんぴょん跳ねながら

逃げて行ってしまいました。

出勤前でしたからそのままにしましたが

いずれは野良猫等に食べられてしまうでしょう。

そんなことから思いついたお話を一つ

 

 子雀が2羽、巣から落ちて泣いていました。

親鳥が2羽の周りでチュンチュン叫んでいますが

どうにもなりません。

 それを見た男の子はその二羽を捕まえ

籠に入れて飼うことにしました。

餌を買ってきて水と一緒に与えました。

 一羽は金網に向かって出よう出ようとするばかりです。

出してよー 出たいよー こんなところはいやだよー

もう一羽の方も最初は同じようにしていたのですが

しばらくすると喉が渇いてきたので水を飲み

腹が減ってきたので与えられた餌を食べました。

 

 何日か目に一羽は死んでしまいました。

もう一羽の方は籠の中で元気にしていました。

狭くて不自由ながらも少しは飛んでみたり

暑い日には水浴びをして遊んでみたり

籠の中でできる楽しみを見つけて生きておりました。

それでもやはり広い外の自由な世界に憧れていました。

外の世界はきっと自由で楽しいだろうなぁ 

外から聞こえてくる仲間の雀の声を聞いては

羨ましく思っていました。

外に出たい というのが唯一と言ってもいい夢でした。

 

 そんな有る時

少年が突然その雀を捕まえ放してやったのです。

雀は念願叶って自由の身になれたのです。

夢ではありましたがもうほとんど諦めていました。

自分の思いだけではどうにもならない状況でしたから。

それがたまたまひとりの少年の意志一つで叶ってしまったのです。

 その少年はずっと雀を飼うつもりは無く

ある程度元気に飛べるようになれば放してやる

最初からそのつもりだったようです。

ただ餌もたくさん残っているし

雀を見ているのも面白かったので

ついつい離してやるのが遅れた

ただそれだけのことでした。

 

 

生まれたら最後 ジエンドの時が来るまで生きること

ただそれだけ

written by inakatano2